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きれいな女性がいないリマ

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きれいな女性がいないリマ

 

情熱の国ブラジルからインカ帝国の末裔の国ペルーにやってきたわけだけど、その印象は「華やかな世界」から「くすんだ世界」に移ってきたという感じで、まず何より気になったのが街に全然きれいな女性がいないことだった。それどころかややきれい、どちらかと言えばまし、というような女性さえほとんど見かけない。いや、ブラジルも、想像していたのとは違って、なんというか特段きれいな人が多かったわけではなかったんだけど、今となっては、「絶世の美女の国」と形容したくなるくらいだ。ペルーに生まれなくて本当に良かった。

 

 

リマでの滞在は5日間。最初の2泊はダウンタウンのど真ん中の「ランドマーク的な大ホテル」に。後半2泊は新市街のしゃれたブティックホテルに宿泊することにしたのだが、この国の、二つの全く違った側面を見ることができて、あとから思うとこれはとてもよかった。この二つの世界の違いは強烈だったから。

 

 

今回ペルーに滞在して強く感じたのは「分断」。今回の旅行全体で強く感じ、旅のテーマとなったのはまさに「世界の分断」なんだけど、それが、ここまで如実に、あからさまに出ている国はほかになかった。ダウンタウンと新市街で、全く別の国にいるかのような、残酷なまでの、そしてちょっと青臭いが、なんだか胸が悪くなるような「分断」。

「世界を自分なりに理解する」のがこの旅の目的だとすると、この国に来てほんとによかったと思う。

 

 

 

 

 

ダウンタウンはスペイン統治時代からの古い建物が多く残り、ブラジルでは見かけなかった「インディオチック」な人たちであふれかえっていた。特に訪れたのが週末だったせいもあり、「ペルー各地からの観光客」がたくさんいて、逆に、外国人(と見た目でわかる人)の姿はあまりない。

何百年も前から営業しているに違いない渋すぎるバーがいくつもあり、その中でも「これはかっこいい」というバーの暖簾をくぐると(西部劇みたいなスイングドアだった)、どちらかというと小汚い恰好でうごめくようにビールを飲んでいる地元の人たちの視線が痛い。

 

「ああ、ペルーにやってきた」。そこにはまさに、昔エクアドルを旅行したりして感じた「南米のアンデス文化」の雰囲気が、そのままあった。

 

ビールを飲んでいい気分で「アンデス文化」に浸っていた時点では、この国の「分断」なんてまだ気にも留めていなかった。

 

 

 

 

なんとなく変だな、と感じたのは、ネットで今夜行くレストランを探していた時だった。全然知らなかったがペルーはどうも「美食の国」として有名で、「南米一」にランクされる伝説のレストランもあるらしかった。僕の持っていたペルーのイメージと、全然違う。

確かに太平洋に面し、一大水産国であるペルーの魚はうまい。代表料理は「セビチェ」。魚や貝、甲殻類などのマリネ料理で、間違いなくおいしい。でもおしゃれなイメージは全然ない。

どうもリマには南米一、のレストランをはじめとして、おしゃれなフュージョン系のレストランがたくさんあるようだった。意外。

 

 

 

 

 

3泊目から、ダウンタウンと空港の中間にある新市街に移った。

そうしたらそこにはなんと。

 

きれいな女の人がたくさんいた。

 

ダウンタウンとは、すべてが違った。

「貧富の差」というのは間違いなく世界中で拡大していて、どの都市でもエリアによってその表情はだいぶん違う。しかし、当然だけどそれはそれなりに混ざりあっていて、変化はそれなりにグラジュエーションになっている。

このリマほどはっきりくっきりと違いを感じる都市は、今まで経験したことがなかった。

 

ダウンタウンではほとんど「白人」っぽい人を見かけることはなかったが、この新市街「ミラフローレンス」では、「白人」っぽい人がとても多い。そうでない人もこぎれいな格好をしていてスマートで、街もこぎれいでおしゃれなバーやレストランが並び、「さっきまでいたダウンタウン」とのあまりの違いに、タクシーで20分くらい走っただけなのに、本当に違う国に来たような、不思議な気分がした。

 

 

 

 

大学の近くのバーが並ぶ通りで行き交うおしゃれな大学生たちを眺めながらビールを飲んで、食事をとるためにホテルの近くに戻ってきたら、良さそうなレストランの前に人が列を作っていた。Google Mapによればなかなか評判がいい。開店前の列のようだったので、そのまま並ぶことにした。

店に入ってみると、ほとんど予約でいっぱいで、入り口近くのバーカウンターのテーブルが一席だけ空いていてそこに座る。メニュー見ると、まさに「ペルーのフュージョンレストラン」のようだった。

時間とともにどんどん人が入ってくる。そこは、僕の知っているペルー、とは全然違う世界だった。

ここで食事をしている人は、ほとんど例外なく「白人」で、半ズボンをはいているのは俺だけで、食事はしゃれていて高価、昨日までの世界とは全くリンクしていなかった。ここにいるのは、この国の経済を動かしている人たちだった

 

 

 

ペルーの人口構成の15%程度が白人である、と言われている。15%と言えば大した数字だが、しかしダウンタウンでは全く見かけない。どこにいるのかと思えば、ここにいたのだった。10キロしか離れていない両エリア。その世界は全く違っていた。

 

 

 

 

20年前に比べると、世界は大きく変化している。全然変わっていないのは日本くらいだ。だけど、旅行をしていると、特に旅行者が集まるダウンタウンなどでは、その変化はそれほど大きく感じなかったりする。なぜなら、そこにはたいてい、あまり豊かでない人たちが住んでいるから。

経済的な発展は、それとは別のところで起こっていて、その発展を担っている人たちはそことは別のところに住んでいる。

今回の旅行では、なるべくその両面を見ようと意識してきたけど、ここペルーにおいてその違いは極まった。

そして南米においては、たいていは「一握りの国を動かしている人々」は、今でもやっぱり「ヨーロッパからやってきた白人たち」なんだと思う。ブラジルはちょっと違うけど。そしてその上下の差は、経済発展、グローバリゼーションの進展にともなって、どんどん、加速度的に開いているのであった。

 

とはいえ、どこの途上国でも、車の数は飛躍的に増えて、また走っている車も昔に比べるとずっときれいになった。世界中でほぼ例外なく。

つまり、車を買うことができるような中産階級の数は、飛躍的に増えていて、それはその国が「全体的に豊かになった」証拠、とも言える。もちろんそれは、全然悪いことではないのである。

 

 

 

洗練されたレストランの美しい食事に囲まれ、この国を支配している華やいだ白人たちのにぎやかな話し声に包まれ、どこか現実離れした喧騒の中で僕の意識は、深く深く、赤ワインの海の中に沈んでいくのであった(2020年2月23日)。

author:oneman-band, category:旅行, 08:20
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