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ロンドンのローストビーフはうまいのか?

ロンドンのローストビーフはうまいのか?

 

 

 

 

前回の世界一周旅行から20年。世界は大きく変わった。

 

28歳の時に日本を出た時には、それまでアジアやアフリカしか旅をしたことがなかったせいもあり、なんとなく「世界で一番日本が進んでいて、日本のものがたいてい何でも一番かっこいいんだろうな」

となんとなく思っていたような気がする。

 

でも今初めて海外に行く若者で、そんなとぼけたことを考えている人は誰もいないだろう。すぐ隣の韓国や香港だって、日本より進んでいたり、かっこいいものは山ほどあって、物価だって日本より高かったりする。

 

 

 

変化のスピードは速い。

インターネットやIT技術の普及が後押しするグローバル化によって、世界は急速にひとつになり、国ごとの差は縮まり、逆転される。

そして、その変化は、日本にいては実感としてとらえることがやや難しい。それどころか、日本の社会は、どんどん内向きに縮まっていっているようにさえ感じる。

 

 

 

僕は50歳だが息子は1歳だ。奥さんは若いし、もしかしたらまだこれから子供が生まれるかもしれない。

 

そう、俺はまだまだ縮まっているわけにはいかない。それが今回この旅行に出た、一番大きな理由だ。

世界で何が起こっているかを理解し、これからどうなっていくのかを考えるため。そしてそれをこれからのビジネスや投資に活かすため。

 

 

 

 

 

世界がものすごいスピードで変化しているとはいえ、変わっていないものもある。何が変化していて、何が変化していないのか。それを見極めることもとても大切だ。

 

 

 

今回は、なるべく今まで行ったことがない国、都市を訪れるのがコンセプト。その中でも、直感的にはいきそうもない国。「こんな機会でもないと一生行かないだろう」というようなところをなるべくピックアップした。

その中でロンドンは、前回の世界旅行でも訪れた数少ない国だ。

 

 

 

当時の僕は29歳。まだまだ若輩者だったし経験も浅かった。初めて降り立ったヨーロッパの地で衝撃を受けた。

その時までなんとなく「日本が最先端を行っていて、日本のものが何でも一番なんだろう」と(馬鹿みたいだが)なんとなく思っていたのだが、

「あっ、ここに本物があったんだ」

ということをまざまざと理解せざるを得なかった。我々は、単なる猿真似だったのだ。

 

 

 

通りの小さな雑貨店を覗くと、今まで見たことのないようなしゃれたものが展示されていた。そして、こういったものがここから世界に羽ばたいていき、東京のあらゆるデパートでコピーが売られる。そして僕はこう思う。「なんでどこのデパートに行っても同じものしか売ってないんだろうな」、と。

 

オリジナルは、ここにあったのだった。

 

 

 

一方、逆の意味で驚いたこともあった。

当時は1年半の長い旅の途中だったし、若かったし、そんなに高級なものを食べる機会はなかった。

しかし、ロンドンの食べ物は、本当に、何を食べてもおいしくなかった。

 

まずい、というわけでもないが、おいしくない。味付けはすべてぼんやりしていて、統一感がない。

 

 

一週間ほどの滞在で、一番おいしかったものといえば、当時ロンドンに留学していた後輩の下宿先のお母さんが作ってくれた、「ゆでた野菜」だった。

 

 

 

 

今回は、わずか3日の滞在だし、一人だし、やはりそんなにいろんなものを食べられるわけではない。

 

しかし、一応「飲食店経営」を視野に入れている今、世界のいろいろなおいしいものを食べることも、今回の旅の大きな目的。

 

各都市で、一度は「その国のローカル料理の最高峰」のようなものを食べようと思っている。

 

 

 

そこで選んだのが、1828年創業の老舗Simpson’s in the Strand

 

ディナーを予約し、和服に着替えて出かける。

 

 

予約していなければその前で引き返していたに違いない、重厚感と高級感がほとばしる重い扉を全体重をかけて押し開けると、そこにはとんでもない非日常的な空間が広がっていた。

創造力を放棄して一言でいうと「いつか映画で見た感じ」。

 

吸い込まれるように中に入る。

 

 

 

 

案内された席からは店全体が見渡せる。客は、観光客もいるようだが、みんな華やかな格好をしている。

 

一人の客は僕だけ。まあ、それはしょうがない。とりあえず飲もう。

 

赤ワインをボトルで頼んでメニューを見る。といってもメインはローストビーフに決まっている。ウエイターのお勧めに従って前菜にはロブスタースープを選ぶ。

 

 

 

 

気おくれしそうにハンサムなウエイターが、鮮やかなオレンジ色をしたロブスタースープを持ってきた。

「このスープも、レシピは創業当初と一緒です。200年前から同じ味なんです」と。

 

一口すすって、飲み切れるか心配になった。エビの味はものすごいが、全くバランスが考慮されていないかのような味のきつさ。西表島の自給自足のキャンプ生活でヤシガニを捕まえて、もったいないから殻を全部使って作った自家製キャンプ料理のようだ。

 

おいしくない。

 

 

時間をかけて何とか飲み干すと間髪おかずにローストビーフの登場。

恭しく切り分けられた肉は見るからにおいしそうで期待は高まる。

 

一口口に入れ、んっ?肉は柔らかいし、肉の味も十分。しかし、グレイビーソースをたっぷりかけたこのローストビーフは、どう考えても塩味が足りない。

隣に添えられたザワークラウトに手お付けると、「うおっ、しょっぺ」。あまりに塩辛い。

 

何なんだ、このバランスの悪さは。

 

 

結局ローストビーフには塩を振って食べたが、もちろん、そんなことをしたのは生れてはじめてだった。

 

 

「ロンドンの味」は、20年たっても、変わっていないものだった。

 

しかし考えてみれば当たり前だ。この店は200年前から変わっていないのだから。

 

歴史と伝統の街ロンドンには、変わっていないものがたくさんある。(2019年7月1日)

 

 

 

 

JUGEMテーマ:不動産投資

author:oneman-band, category:旅行, 13:13
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