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マドリードの物乞い

マドリードの物乞い

 

 

 

半年ぶりのマドリードは当たり前だが前と特に変わったことはなかったが、しかし季節は変わっていた。7月に来たときは、異常気象と言われ連日40度以上の酷暑だったが、今は冬。人々はダウンやマフラーで身を包んでいた。

しかし実際は東京から来た身としてはそれほど寒くはなく、どちらかというと過ごしやすい、と感じるくらいで、元来寒さに強い白色人種なのだから、マフラーもコートも、ただのファッションなんだろう。

 

日本を出るときから風邪をひいて体調が悪く、ついてすぐに薬局に行って風邪薬を購入したのだが、たいてい海外で購入する薬はそうだと思うが効き目がめっぽう強く、いくら寝ても眠くて眠くて。時間になると起きだして、ビールを飲んで食事して、また寝る。だからほとんど時差ボケにならなかった。

 

一般にスペインと言えば美食の国で知られている。まあ確かに悪くはないと思うが、しかし、ほとんど寝ていて、風邪で味の分からなくなった舌で食って言うのもはばかられるが、そんなに大騒ぎするほどうまい飯だとも思われない(毎度寝起きで飲むビールはいつも最高にうまかったけど)。

イタリアなんかに比べると、まあ相当落ちる感じがする。パスタのバリエーションと、本能を直撃する旨さに比べると、パエリアなんか比べ物にならないし、第一大体味付けが濃すぎる。

俺の見たところスペイン人は昼飯にはたいていトルティーヤを食べているが、トルティーヤと言えば聞こえはいいが、実際ただのジャガイモ入りオムレツで、うまいトルティーヤもあるんだろうが、それこそ大騒ぎするほどのものでもない。それを、硬くてパサついたパンと一緒に食べる。ちょっとした食堂で出てくるパンの質は、はっきり言って俺がこれまで訪れたどのヨーロッパの国よりも低い気がする。イタリアとかギリシャとかトルコとか、まずいパンを食ったことがなかった。

とはいえもちろんごく限られた食体験での話だし、ごく個人的な感想(愚痴)だけど。

 

そんなスペイン、EU5位の経済規模はオーストラリアや韓国と同じくらい。マドリードの物価は皮膚感覚だと大体東京と同じくらい。歴史を感じる町並みは整然としていて、旅行者が多いこともあって活気が感じられる。華やか、といってもいい。だから余計に気になってしまうのだが、マドリードの街には路上生活者の数がまあまあ多い。それもたいてい大きな通りの歩道、とかで寝ているのでいやでも目に付く。そしてそういう人のそばにはお金を入れてもらうための缶が置いてあったりする。

 

確かにスペインの若年失業率は結構高いけど、リーマン危機でバブルがはじけて地価は急落したけど、でもここのところ経済は徐々に持ち直してきているだけに違和感を感じる。

それに、日本もまあ何十年も不況と言えば不況で、路上生活者だっているんだけど、物乞いしてる人って見たことないな。子供の時にもいなかったような。これってどういう違いなんだろう。宗教的なものなのだろうか

 

そんな路上生活者の日本と外国(特に欧米)の違いが気になったのでネットでいろいろ当たってみた。なんとなく腑に落ちたことをまとめると

  • 欧米に比べ、日本では路上生活者が麻薬をやっている割合が極端に少ない
  • 日本では、精神に疾患を抱えている人は病院に収容される傾向が強い
  • 欧米ではホームレスは町中に住むが、日本では公園や河原に住む傾向が強い。

そして物乞いについては

  • 宗教的なバックグラウンドが違う。キリスト教や、イスラム教、ヒンズー教などは施しの文化があるが、そういうものが日本社会にはない
  • 日本人は、ホームレスであることを恥、と感じる傾向が強い
  • それゆえに、物乞いをするよりも、空き缶を集めたりして小銭を稼ぐ傾向が強い

というような理由が挙げられていた。

 

確かに、マドリードの路上に寝ているホームレスの中には五体満足そうな若者も結構いて(足や手を失っている人もいるが)、そんな若者が缶からを置いていたって、日本ではまずお金を入れる人はいそうにない気がする。

 

昔は、特にアジアやアフリカで、日本人旅行者とみると物乞いが寄ってきて、かわいそうに思ったり、断れなかったりして、お金をあげてしまうような時代もあったがそれはどちらかというと日本人の(物乞いに対する)本質ではなく(別の意味の本質かもしれないが)、230年前から「そういう人にお金を上げるということは、決していいことではない」というような暗黙の了解というか考え方が一般的になり、今では、日本人旅行者は、一般にかなり物乞いに対して辛い気がする。

 

そうすると、日本というのは路上生活者にとってはなかなか厳しい社会なのかもしれない。いいのか悪いのかは別にして。

 

 

 

 

それとはちょっと違うかもしれないが、その後訪れたリオデジャネイロでも印象的な光景を見た。

街角のカフェでお茶を飲みながらぼーっとしていると、そのあたりでは、しょうもないお菓子を抱えた黒人の若い男が数人、道行く人にそのお菓子を売っていた。まあ、こういう光景は途上国だと極日常的なものだと思う。

僕も声をかけられたが丁重に断ると笑って「オーケーオーケー」という感じで去っていく。やな感じは全くない。

どうも彼らは、一人で歩いている女性(しかもどちらかというと若くてきれいな、しかし大人の女性)を狙って声をかけている様子だった。

別に「ナンパ」ということでもないらしい。男の子たち(といっても2030歳くらい)はかっこいい子もいるが、そうでもない子もいる。

そして、結構な割合で、声をかけられた女性は話に応じて、そしてその話は結構盛り上がる。この辺りは、日本人的感覚では理解するのは相当に難しい。俺にあれをやれと言われても絶対にできない。

そして、話が盛り上がった場合、ほとんど100%の割合で、女性はお菓子を購入するのである。おかしが欲しくて買っているのでは絶対にない(はず)。

タクシーを拾って去っていく女性。軽く手を振る男の方を振り返り、窓に顔をつけんばかりに大きく手を振り返している。まるで別れ際の恋人に後ろ髪をひかれているかのように。

 

この話はほんとに違う話かもしれない(2020年2月5日)。

 

 

JUGEMテーマ:不動産投資

author:oneman-band, category:旅行, 20:57
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