RSS | ATOM | SEARCH
香港で、自由について考えた

香港で、自由について考えた

 

 

香港はしばらく前まで、数年おきに何度も来ていたけど、でもそれはサラリーマン時代の出張で、仕事、飲酒、仕事、飲酒、飲酒と繰り返すだけで、街の様子なんてろくに見てなかった。

 

最後に香港にプライベートで来たのは今から30年以上前、それは僕の初めての海外旅行でもあったわけだけど、飛行機はネイザンロードのネオンのわずかに上をかすめて着陸し、その足で深夜の重慶大厦(チョンキンマンション)に転がり込む、という、「深夜特急」さながらの、19歳の僕にはとてつもなく強烈な体験だった。

 

 

街は原色のド派手な看板であふれかえり、重慶大厦は魔窟そのもので、アバディーンには海上生活者がひしめき合い、九龍城では麻薬が普通にやり取りされていた(イメージ含む)。物価は安く、人々はやや汚く粗末な格好をし。とにかくすさまじい喧騒が耳に残った。

 

 

あれから30年が過ぎた。今や香港は世界トップの金融都市であって、不動産価格は世界一。人々は洗練されたしゃれたかっこをして、物価も高い。

30年前には想像もできなかったけど、香港は今や東京よりも進んでいて、経済が発展していて、いかしてて、なんでも高くって、そしてすでに、日本の若い世代はそれをある意味当然のこととして受け入れだしているようにも思える。

 

たったの30年で!

日本の春の、なんと短かったことよ!

 

 

 

 

香港の街は確かに変わった。ネイザンロードの空を埋め尽くしていた看板はきれいになくなり、通りにはこぎれいなビルに世界的なブランドがひしめく。

 

でも、一歩通りから外れると、結構そこは、昔のまんまの景色が広がっている。

魔窟のような古いビルがひしめいていて、窓からは洗濯物がぶら下がっていて。九龍の中心地でもそんな感じ。

 

でもそれって当たり前なのだ。

 

 

 

 

 

建物の建て替えのスパンは普通、30年ではきかない。ワンマンバンドで扱っている木造の(適当なつくりの)一軒家だって、大半は築30年以上だもの。竹の足場で建てたとはいえ腐っても鉄筋コンクリートのビルは、100年近くは余裕で持つ。だからいくら経済が急速に発展したって、建物のアップデートは徐々に徐々に、行われていくのだ。

 

 

そして、人々の生活もやっぱりそうだ。

 

魔窟のような建物と建物の狭い間にはごみやたばこの吸い殻が溢れ、そこをリヤカーを引いた上半身裸の男がのしのし歩く。中心を少し離れちょっとダウンタウンに踏み込めば、行きかう人の服装も、30年前とあまり変わっていないように感じる。

 

人々の生活も、30年くらいでは、そう簡単にはアップデートされない。というか、アップデートされない人もいる。それも結構たくさん。

 

 

 

 

香港人の友達と食事をした。

彼(外資系企業の幹部)の15年前に6000万円で買った60平米の小さなマンションは、今は250000万円になっているそうだ。

「そりゃ大金持ちだね」というと「だけどもっと広い家に引っ越そうと思うともっと高くてとても買えない」と言う。そうだろう。日本のバブルの時と同じだ。

 

 

若い人たちにとっては、もう自分の家(香港の場合は、ほぼマンションしか選択肢はない)を持つのは、きわめて難しい。大卒の、大手企業の初任給は、今でも日本円で15万円ほどらしい。

 

 

そして一方で、経済の発展(そして物価の上昇)に完全に取り残された人たちが、たくさんいる。社会の低層で暮らす多くの人たちにとって、この30年の変化は、多分それほど大きなものではない。そういう人たちの多くは公営住宅に住んでいる。ものすごく狭い部屋に、たくさんの人数で。

 

僕の友人の人生と、そういう人たちの人生が交わることは、ほとんどない。

香港の目覚ましい発展は、社会の貧富の差を劇的に拡大させた。ほかの多くの、発展著しい国でそうであるように。

 

 

 

どこかで、まだ予想もつかない劇的な社会体制の変化が起こるかもしれないが、そうでなければこれは良かれ悪しかれ、日本の未来でもある。

 

 

 

 

 

そんな香港は今、「逃亡犯条例」改正を巡るデモで大きく揺れている。

参加者は本当かどうかわからないが100万人とも言われている。香港の人口は750万人。そう考えるとすごい数だ。

 

 

 

 

 

テレビでは過激なシーンばかり繰り返し映し出されるが、実際にデモの現場に立ってみると、その平和な雰囲気に驚いた。途中で弁当を広げる人、手をつなぐカップル、小さな子供連れ。多くの参加者はニコニコ笑っている

そして、参加者の多くは、大学生くらいの若者だった。

 

 

 

香港の、政治の話題はタッチ―だ。友達にも、家の値段や給料の額は聞けても、中国の統治についてどう思っているかは、なかなか聞けない(外資系企業では政治の話題は持ち出さない、という暗黙の了解があるせいもある)。いろいろ話されても、なんて言っていいかわからないし。

 

世界の覇権を争おうという中国。その中国は、香港の人にとっては同胞で、もともとは同じ国。イギリスなんか、中国に比べたらよそ者もよそ者。扱いは植民地だった。

 

でも、これほど多くの若者たちが、「香港の自由」を守ろうとして行動している。そのメッセージは、少なくともとても明白だ。

 

 

 

 

今回電車に乗って中国の深センを訪れた。

今やシリコンバレーをしのぐといわれるITの聖地、深セン。世界のスタートアップが深センを目指す。

ちょっと見たくらいでは何もわからないが、確かにその発展具合は、すごかった。大きなビルが立ち並び、地下鉄は縦横に走り。

 

 

でも、なんかやっぱり、すっごく中国なんだよなー。昔とは比べ物にならないけど、なんかみんな愛想悪いし、兵隊いっぱいいるし。しばらくいると慣れるんだろうけど、滞在中ずっと、多少の抑圧感を感じていた。

地下鉄を降りるときに切符を機会に入れてもゲートが開かなかったら、香港だったらなんでもなく解決できるだろうけど、深センでは厄介ごとになるような(実際一度開かず、機械をどんどんたたいたら開いた。ホッ)。

 

再び国境を越えて香港に入ったときにはほっとした。家に帰ってきたような。

 

香港には自由がある。I love香港。I love freedom.(2019年6月17日)

 

 

 

 

 

JUGEMテーマ:不動産投資

author:oneman-band, category:旅行, 16:17
comments(1), -
Comment
管理者の承認待ちコメントです。
-, 2019/06/18 2:36 PM